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 オムロンは2021年8月2日、車載用のプリント回路基板(PCB)を高効率で検査できる基板外観検査装置「VT-S1080」を同月5日から世界で発売すると発表した。検査時の撮像に使う照明の色や光量を自動制御する技術を採用し、実証実験では設定などにかけていた時間を約70%削減できた。はんだ検査に特化した人工知能(AI)も搭載しており、同AIも活用することで目視検査にかかる時間を85%削減できたという。

AIを搭載した基板外観検査装置「VT-S1080」
AIを搭載した基板外観検査装置「VT-S1080」
(出所:オムロン)
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 新製品は主に、電気自動車(EV)や自動運転制御などの車載向け、および第5世代移動通信システム(5G)などの通信機器向けプリント回路基板の外観検査用途を見込んで開発した。それらの基板は微細化や高密度化で検査の難易度が上がっている一方で、人手不足の中で需要が急増しているため、自動化による検査の効率化が急務となっている。

 新製品の特徴の1つは、「MDMC(Multi Direction Multi Color)」と呼ぶ照明の照射角や色、光量を自動制御する技術の採用だ。MDMCはもともと、同社の画像処理システム「FHシリーズ」で製品の傷や汚れを検出するために使っていた。

 VT-S1080では検査する基板に当てる照明の種類を変えながら、1画角当たり50枚の画像を撮影する。画像の合成によってはんだの形状を正確に3Dで再現できるという。従来の撮影方式だと、隣接する部品の影や二次反射で形状を正しく抽出できない場合があった。顧客との実証試験では、MDMCによって照明の設定や制御プログラムの作成などにかかる時間を約70%削減できた。

MDMCにより、はんだの形状を正確に抽出できる
MDMCにより、はんだの形状を正確に抽出できる
従来は二次反射や部品の影で、撮像の正確性が損なわれていた。(出所:オムロン)
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