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初めてAIを搭載

 オムロンの基板外観検査装置としては初めてAIを搭載したのも特徴だ。これまでのはんだ形状検査の知見や、MDMC照明で獲得した画像を活用して、米国のシリコンバレーを拠点に活動する企業とはんだに特化したAIを開発した。

 従来の検査では、不良品の納入を防ぐために検査装置の合否基準を厳しく設定していた。出荷可能な製品を不良と判定してしまう「見過ぎ」(「過検出」とも言う)が発生する場合があるため、不良扱いの製品を人が目視で再検査していた。AIの活用で見過ぎを減らせる。ある顧客との実証実験では、MDMCによる定量検査との組み合わせによって、目視工数を従来比で85%削減できたという。

 表面実装機(マウンター)など他社の製造設備とデータ連携して品質の傾向を把握し、不良品の発生を未然に防ぐ機能も搭載した。実証実験では品質のばらつきを検知し、機器をメンテナンスするなどの事前の対処によって不良発生率を50%以上削減できた。

 今後はMDMC照明を搭載した基板外観検査装置を「VT-S10シリーズ」とし、21年度内に製品群を増やしていく。抽出するはんだの形状を2Dにした廉価版や、画像の分解能をより高めた装置などの発売を予定している。車載向けの基板以外でも「遠隔医療向けなど正確性を重視する分野で引き合いがある」(担当者)と売り上げの拡大を見込む。

 価格は1台当たり1500万~2000万円程度になる見通し。従来機より2割程度高いが、新製品の発売やEVの普及を追い風に、21年度の外観検査装置全体の売上高を20年度比で4割増やす目標だ。