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 TDKは、車載機器に搭載するDC-DCコンバーター回路に向けたインダクターを2製品発売した ニュースリリース 。最大の特徴は、外形寸法が2.0mm×1.25mm×1.0mmと小さいこと。いわゆる「2012サイズ品」である。同社従来品は、外形寸法が2.0mm×1.6mm×1.0mmの「2016サイズ品」だった。同社従来品を新製品で置き換えれば、プリント基板上の実装面積を約22%削減できる。具体的な応用先は、車載カメラモジュールやV2X用通信モジュールなどである。

2012サイズの車載機器向け電源インダクター
2012サイズの車載機器向け電源インダクター
(出所:TDK)
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 新製品にはこのほか、2つの特徴がある。1つは、コア材に金属磁性材料(メタルコンポジット材料や金属複合材料と呼ぶメーカーもある)を採用したため、扱える電流が大きいこと。「フェライト材料を使用したインダクターは最大1A程度の電流しか扱えないが、金属磁性材料を使うことで最大3A程度の電流が扱えるようになった」(同社)。もう1つは、最大使用温度が+150℃と高いこと。車載用受動部品の品質規格「AEC-Q200 Rev D」に準拠する。「2012サイズ、金属磁性材料の採用、+150℃動作というの3つの特徴を持つ電源インダクターは業界初」(同社)。

 新製品は、いわゆる薄膜インダクターである。絶縁膜を薄膜プロセスで作成した後、高アスペクト比(縦横比)のコイル導体を金属めっき法で作り込み、導電性樹脂による電極を設けた。コイル導体の断面積は製品によって異なるが、高さは200μm程度、幅は60μm程度。同社によると、「薄膜プロセスを採用したため絶縁膜作成時の位置精度が高いことに加えて、金属磁性材料を構成する金属粉体に工夫を施すことで+20Vと高い耐圧を確保した」という。

新製品の電極構造や内部構造
新製品の電極構造や内部構造
(出所:TDK)
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 新製品のシリーズ名は「TFM-ALMAシリーズ」。今回の2製品はインダクタンス値が異なる。「TFM201210ALMAR56MTAA」はインダクタンス値が0.56μH。「TFM201210ALMA2R2MTAA」は2.2μHである。どちらも使用温度範囲は−55〜+150℃。量産は2021年8月に開始する。サンプル品の参考単価は22円(税込み)である。

 このほか同社は、インダクタンス値が異なる2012サイズの電源インダクターを3製品の開発を進めている。具体的には、0.47μH品と1.0μH品、1.5μH品である。いずれも2021年内に量産を始める予定。今回発売した2製品と開発中の3製品の主な仕様は下表の通りである。

発売した2製品と開発中の3製品の主な仕様
発売した2製品と開発中の3製品の主な仕様
(出所:TDK)
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