PR

 RCPの場合、コアネットワークだけでなく基地局まで「完全仮想化」して、サーバーとソフトを分離させた構造になっている。「サーバーには一般のデータセンターにあるような汎用品を使えるので安価に調達でき、システムの拡張も比較的容易」「調達先の選択肢が広がるというメリットも」「日本では従来方式でネットワークを構築した場合に比べて設備投資で4割、運用では3割のコストを削減できている」――。そんなアピールをしながら、楽天グループは世界各地の通信会社にRCPの採用を働きかけてきた。

 こうした取り組みは徐々に実を結びつつある。例えば、2020年9月にスペインの大手通信事業者のテレフォニカと、2020年10月にサウジアラビアの大手通信事業者Saudi Telecom Company (stc)とモバイルネットワーク技術の連携を進める覚書を締結。そして今回は一段と踏み込み、実際にRCPを全面的に採用したモバイルネットワークを作ることになったわけだ。

 楽天グループは1&1との提携発表と同時に、通信プラットフォーム事業や関連子会社を集約する新部門「楽天シンフォニー」(Rakuten Symphony)を設立することや、仮想化技術を手掛ける出資先の米アルティオスター・ネットワークスを完全子会社化することも発表した。

 同社の三木谷会長はRCPを軸としたビジネスの狙いについて「米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)はかつて自社のEC(電子商取引)サービスで稼いでいたが、現在は(もともとEC用に開発したクラウド基盤である)AWSを外販することで収益を上げている」と、アマゾンの成功になぞらえて表現する。自ら携帯電話事業を手掛けることで培った技術を、ベンダーのように輸出する――。通信業界では世界的にみても珍しい戦略がいよいよ具体化しつつある。