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 ヤマハ発動機は2021年8月5日、同年上期(1~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比34.2%増の9201億円、営業利益は同471.9%増の1092億円、純利益は前年同期の28億円の赤字から931億円の黒字に転換した。各利益とも上期としては過去最高となった。「需要が好調に推移し、すべての事業で増収増益を達成した」(同社代表取締役社長の日高祥博氏)という。

決算会見の様子
決算会見の様子
(出所:ヤマハ発動機、オンライン会見の映像から)
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 営業利益の伸びをけん引したのが、二輪車などのランドモビリティ事業だ。中でも新興国向けの二輪車事業は前年同期比369億円増と大きく伸びた。「全地域での販売台数の増加に加え、各国で推進しているプレミアム戦略が奏功し、高価格帯モデルの販売が増加した」(日高氏)。営業利益率は前年同期の0.5%から、8.9%に大幅に改善した。プレミアム戦略が奏功した背景には「ASEANの上位中間層の所得水準が上がったこと」(同氏)を挙げた。

21年上期の営業利益の変動要因
21年上期の営業利益の変動要因
(出所:ヤマハ発動機)
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 一方、先進国向けの二輪車事業は、全地域で販売台数が増加したものの、部品不足などの影響によって、旺盛な需要に供給が追いつかず、営業利益は前年同期比69億円増にとどまった。営業利益率は2.3%である。

 二輪車事業が好調な背景には「密になりがちな公共交通機関を避け、パーソナルモビリティーに移行する人が増えたため」(日高氏)と分析する。こうしたトレンドは「アフターコロナでも続く」(同氏)とみる。

通期予想を上方修正

 全事業で需要が好調に推移していることから、21年通期(1~12月)の業績予想を上方修正した。売上高は前年比25.7%増の1兆8500億円、営業利益は同95.9%増の1600億円、営業利益率は同3ポイント改善の8.6%、純利益は同111.0%増の1120億円を見込む。

21年通期の営業利益の変動要因
21年通期の営業利益の変動要因
(出所:ヤマハ発動機)
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 リスク要因としては、原材料や半導体の価格高騰を挙げた。「アルミや鉄、樹脂、排ガス処理用の触媒などの原材料費がすべて上がっている。半導体は市場で取り合いになっており、言い値で取引されている」(日高氏)という。

 また、先進国向けの二輪車事業は部品不足の影響などから通期では営業黒字化できない見通しである。「需要は旺盛なため、きちんと生産・供給できれば営業黒字化できる見通しだが、半導体などの部品が不足している今の状況では難しい」(同氏)とする。