東芝デバイス&ストレージは、モーター制御に向けたArmコアマイコンの新製品「TXZ+ファミリー M4Kグループ」の量産を開始したと2021年7月29日に発表した ニュースリリース 。21年8月中に、同じくモーター制御に向けたArmコアマイコンの新製品「同M4Mグループ」の量産を始める。
2つのグループのマイコンは、同社が20年3月に発表した「TXZ+ファミリー」のアドバンスクラスの製品であり*、40nmプロセスで製造する。同社は汎用マイコンのほかにアプリケーションを絞りこんだ製品も提供しており、今回の両グループの新製品はどちらもモーター制御向けで、3つのモーターを同時に制御できる。両グループの違いは、CANコントローラーの有無にあり、M4KグループはCANコントローラーを集積しないが、M4Mグループは集積する。
* 関連記事 東芝がマイコンを一新、40nmの高速動作品や国産フラッシュ集積の高信頼性品を投入CANコントローラーの有無や用意したパッケージに違いはあるももの、両グループの仕様は基本的に同じである。CPUコアはメモリー保護ユニットとFPU(Floating Point Unit)が付いた「Arm Cortex-M4」で、その最大動作周波数は160MHz。128K/256Kバイトのコード用フラッシュメモリーと32Kバイトのデータ用フラッシュメモリー、24KバイトのSRAMを集積している。
さらに、ACモーターやブラシレスDCモーター、インバーターの制御に向けて、モーター制御回路「A-PMD:Advanced-Programmable Motor Driver」や32ビットエンコーダー「A-ENC:Advanced-ENCoder」、ベクトル処理アクセラレーター「A-VE+:Advanced Vector Engine Plus」、最大22チャネル入力の12ビットA-D変換器などを備える。このほか、オペアンプやUART/I2C/TSPIインターフェース、DMAコントローラーなどを集積する。
M4Kグループは12製品、M4Mグループは10製品から成る。主な仕様は下表の通り。価格は未公表。