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 東芝は2021年8月12日、21年4〜6月期の連結決算(米国会計基準)を発表した(図1)。売上高が前年比21.3%増の7279億円、営業損益が145億円の黒字(前年同期は126億円の赤字)の増収増益だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が抑えられ、車載向けのパワー半導体などの売り上げが好調だった。「パワー半導体の売り上げは当初の想定より上回った。一方で世界的な半導体不足の影響を東芝テックなどの事業が受けるため、注視する必要がある」と同社 代表執行役専務 CFO(最高財務責任者)の平田政善氏は語った。

図1 会見に出席した東芝代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏(出所:東芝の配信画面を日経クロステックがキャプチャー)
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図1 会見に出席した東芝代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏(出所:東芝の配信画面を日経クロステックがキャプチャー)

 半導体やHDDなどを手がける東芝デバイス&ストレージが好調で、売上高が前年同期比60%増の2009億円だった。半導体は車載向けを中心に市況が回復し、HDDは工場の稼働再開などで新型コロナウイルスの影響を抑えられた点が寄与した(図2、3)。

図2 東芝デバイス&ストレージが好調
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図2 東芝デバイス&ストレージが好調
インフラ整備などを手がける東芝インフラシステムズが減益だったものの、全体的に好調だった(出所:東芝)

図3 東芝の半導体は車載向けを中心に市況が回復し、HDDも工場稼働再開のため増収増益だった(出所:東芝)
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図3 東芝の半導体は車載向けを中心に市況が回復し、HDDも工場稼働再開のため増収増益だった(出所:東芝)

 全体的に業績は回復基調となったものの、22年3月期(21年4月1日〜22年3月31日)の連結業績予想は21年5月の予想値から据え置いた。半導体不足や、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大の影響を危惧したためだ。「世界的な半導体不足の影響は少なからずある。東芝テックなどの多くの製品で半導体を使っているためだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、素材価格や輸送費が高騰している状況だ」と平田氏は語る。

 東芝が4割を出資するキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の持ち分売却については、今後も継続するという。「東芝が経営権を持ってメモリー事業を進めるという意識はない。売却を進めていきたい」と同社 代表執行役社長 CEO(最高経営責任者)の綱川智氏は語った。