東京大学とKDDIなどは2021年8月19日、テクノロジー分野での起業家育成を目的として、「アントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座」を設置したと発表した。今秋から講義とフィールドワークを組み合わせた授業を開講するほか、情報発信、研究活動に取り組む。

 同寄付講座はKDDI、経営共創基盤、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、同大の松尾豊教授の研究室の関連スタートアップである松尾研究所からの寄付で運営する。同大の坂田一郎教授が講座代表を務めるほか、松尾教授らこれまでに起業に携わってきた計5人の教員・スタッフが担当する。また、KDDIなど4社から4人が非常勤講師として参加する。講座の設置期間は2021年7月から2024年6月までの3年間で、寄付金総額は1億2000万円。

 東大には複数の起業家育成プログラムがあり、東大発スタートアップ企業は約430社に上るという。工学系研究科などでは「起業が学生の進路の大きな選択肢になっている」(坂田教授)。一方で、社会実装までに時間がかかるものづくりや環境・エネルギー、化学・素材など「ディープテック」の起業が少なかったり、グローバル市場で存在感のある企業が少なかったりするという課題もある。同寄付講座では、こうした課題を解決するため、寄付起業のほか起業家や事業会社と協力して、講義とフィールドワークを進める。

 スタートアップ企業の出口であるIPO(新規株式公開)とM&A(合併・買収)のいずれにしても「スケールの大きいものを目指す」(坂田教授)のが特徴。ディープテックの起業モデルとグローバル市場を見すえたカリキュラムを提供するほか、M&A実績のある事業会社と連携する。