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 米GMが2021年8月20日に発表したリチウムイオン電池を原因とする電気自動車(EV)の追加リコール(回収・無償修理)。電池メーカーである韓国LG Energy Solution(LGエナジーソリューション)の製造上の欠陥が原因であることを明らかにした。リコールに際して完成車メーカーが部品メーカー名を公表し、欠陥があると指摘するのは異例だ。

2017年型Chevrolet「Bolt EV」(出所:GM)
2017年型Chevrolet「Bolt EV」(出所:GM)
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 GMは、19~22年型のChevrolet(シボレー)「Bolt EV」などについて約7万3000台を追加でリコールすると発表した。GMは同年7月下旬にも同車種の17~19年型のリコールを発表していた。立て続けのリコールで、GMのEV開発に試練が訪れる。

 GMがLGの電池製造工場を調べたところ、電池セルの製造過程に起因する2つの欠陥が見つかったという。アノードのタブとセパレーターが破れる可能性があり、充電中に発火につながる危険性がある。

 GMには、充電中に電池から発火したという複数の報告があった。リコールして、対象車両の全ての電池を交換する。追加のリコール費用は10億ドル(約1100億円)を見込む。今後、GMとLGで費用分担の話し合いを進める。

 リコールに際しては一般に、消費者に販売する立場の完成車メーカーが矢面に立ち、部品メーカーが表舞台に出ることは少ない。最近ではエアバッグの大規模リコールで部品メーカーのタカタが矢面に立ったものの、リコール規模がかつてなく巨大で、社会的に大きな影響があった。

 一方、今回のリコール規模はそれほど大きくない。それでも電池メーカーであるLGがリコールの矢面に立たされるのは、EV開発において完成車メーカーと電池メーカーが対等の立場になっていることがありそうだ。リチウムイオン電池はその他の多くの自動車部品と異なり、車両の性能や価格を大きく左右する中核に位置するためである。GMとLGは車載電池の合弁会社を設立している。

 なおGMはリコールで電池を交換するまでの間、ユーザーに対して大きく3点を要望した。(1)充電状態を90%以下にすること、(2)電池残量について走行距離換算で70マイル(113km)未満にならないようにすること、(3)屋内で一晩中充電しないこと――である。