PR

 住友ゴム工業は、タイヤのサイドウォールに刻印した黒色の文字や模様の視認性を高めるデザイン技術「Nano Black」(ナノブラック)を開発した。表面に細かな凹凸形状を持たせて、どの角度から見ても黒いタイヤの表面に刻印された黒色の文字などがくっきり見えるようにした。ブランドロゴや製品名の表示に採用し、ロゴなどの視認性を高めるとともに「高級感を創出する」(同社)(図1)。

図1:「Nano Black」を採用して刻印した「DUNLOP」ロゴ
図1:「Nano Black」を採用して刻印した「DUNLOP」ロゴ
(出所:住友ゴム工業)
[画像のクリックで拡大表示]

 光が吸収面に衝突する回数が多いほど減衰し、色が黒く見える性質を応用して凹凸形状を設計した(図2)。「詳細な値は公表できない」(同社)とするが、nm単位で凹凸の形状や高さ、配置を調整。吸収面の単位面積当たりの表面積を最大化することで光の衝突する回数を増やし、光が吸収されて黒く見えるように工夫している。

図2:黒色のメカニズム
図2:黒色のメカニズム
(出所:住友ゴム工業)
[画像のクリックで拡大表示]
図3:従来技術と「Nano Black」の加工面の比較
図3:従来技術と「Nano Black」の加工面の比較
(出所:住友ゴム工業)
[画像のクリックで拡大表示]

 これによって同社が黒色の評価に活用している指標「黒色度」を制御した。従来のロゴ部分の黒色度は21程度だったが、新技術では11程度まで向上。どの角度から見てもロゴの黒さが損なわれず、くっきり見えるという(図3)。

* 黒色度は、物体の色を表す規格「Lab色空間」を応用して住友ゴム工業が作った指標。Lab色空間は、明度を「L」、色相と彩度を示す色度を「a(赤方向)」「b(黄方向)」で表すが、同社は、このうちLを0〜100の値に置き換えて黒色度としている。0に近いほど黒っぽくなる。

 ロゴや製品名は、タイヤ本体にトレッドのパターンを刻印するのと同じ工程で加工する。そのため、新技術の採用に当たってタイヤ本体の材料や加工法の変更は不要だ。加硫工程で使用する金型に微細な凹凸を加工して用いれば、視認性の高いロゴを実現できる。

■変更履歴
公開当初、最終段落で「下流工程」とありましたが、正しくは「加硫工程」でした。おわびして訂正します。 [2021/9/9 16:40]