米国のスタートアップ(新興)企業Wright Electric(ライト・エレクトリック)は2021年9月7日(米国時間)、出力2MWのモーターを開発し、動作試験を開始すると明らかにした。同社は電動航空機向けに、モーターやモーターを制御するインバーターなどを手掛ける。2MWという出力は業界最高水準である。2MW品を2個用いることで、乗客50人乗りの機体を、10個用いることで乗客150人乗りの機体の推進系を置き換えられる出力水準になるとしている。
重さ当たりの出力密度も高い。具体的には、10kW/kgだという。これは、電動車両向けモーターの5倍前後の出力密度で、従来の電動航空機向けモーターの2倍前後である。電動航空機では、10席前後の小型機では、約5kW/kgが求められる。10kW/kgまで高めれば、数十席のリージョナル機や100席以上の機体の電動推進系への適用が見えてくる。
ライト・エレクトリックによれば、今回のモーターは、電動航空機向けに0.5M~4MWのモーターを実現できるようなスケーラビリティーのあるデザインを採用したという。21年5月には、出力密度が30kW/kg、効率99.5%のインバーターを開発したと発表している。今後2年間、電動航空機の推進系に向けたモーターとインバーターの開発に注力するという。例えば、モーターとインバーターの統合や高高度利用に向けたテスト、各種認証の獲得などである。