PR

 日本自動車工業会は2021年9月9日に記者会見を開催し、会長の豊田章男氏(トヨタ自動車社長)が欧州などによる内燃機関車を禁止する方針に対して「敵は炭素であり、内燃機関ではない」と反論した。電気自動車(EV)一辺倒の潮流に「(EV以外の)選択肢を広げようと動き続けているのは、日本の雇用と命を背負っているため」とも訴え、危機感をあらわにした。

日本自動車工業会会長の豊田章男氏(オンライン会見の様子)
日本自動車工業会会長の豊田章男氏(オンライン会見の様子)
[画像のクリックで拡大表示]

 自動車のカーボンニュートラル実現に重要なのが、エネルギーの脱炭素化である。日本政府が打ち出す温暖化ガス排出削減目標を13年度比46%減にすることに対して、豊田氏は「日本の実情に沿ったものではない」とし、欧州の政策に流されていると疑問を投げかけた。自工会は21年10月に自動車産業を軸にしたエネルギー政策の提案を発表し、日本政府に訴えていく。

 東京パラリンピックの選手村でトヨタの自動運転EV「e-Palette」が接触事故を起こしたことに対して、豊田氏は謝罪するとともに「自動運転車、歩行者、誘導員に責任が属するものではない」と説明し、メーカー責任を否定した。「本来は信号があるべき交差点」(豊田氏)に信号がなかったことも原因の1つと分析した。

 豊田氏の会長任期を24年5月まで延長するとの報道に対しては「決まっていない」(豊田氏)と否定した。

 半導体不足や東南アジアでの新型コロナ禍拡大による部品不足の影響で、国内自動車メーカーの生産停止が相次ぐ。自工会副会長の永塚誠一氏は「10月に入ると企業によってはもう一段の減産の可能性がある」とし、長引きそうだと見通した。