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 米Google(グーグル)の親会社Alphabet(アルファベット)が運営する研究部門「X」はコンゴ共和国のCongo River(コンゴ川)を横断する光無線通信に成功した。20日間で約700Tバイトのデータをやり取りしたという。2021年9月16日(米国時間)に明らかにした。Xで取り組んでいる光無線通信プロジェクト「Project Taara」のチームが、アフリカで通信関連事業やクラウド事業などを営むLiquid Intelligent Technologies(リキッド・インテリジェント・テクノロジーズ)と協力して達成した。同プロジェクトでは、光無線通信を使って光ファイバー通信並みの速度を達成し、手ごろな価格で通信環境を提供することを目標に掲げている。

川を横断した光無線通信のイメージ
川を横断した光無線通信のイメージ
(出所:アルファベット)
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 光無線通信は、その名の通り、レーザー光を利用して2点間のデータ伝送を実現する技術である。Taaraでは、見通しの良い場所において、最大20Gビット/秒のデータ伝送を可能にすること、1本の光リンクで最大20kmの距離をカバーすることを目標に掲げている。

 今回、コンゴ共和国の首都Brazzaville(ブラザビル)とコンゴ川の対岸に位置するコンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都Kinshasa(キンシャサ)の2拠点間で、光無線通信を行った。Taaraによれば、両都市は4.8kmしか離れていないものの、光ファイバーで接続するには川を迂回する必要があり、ファイバー長は400km以上になってしまうという。すなわち、光無線通信の特徴を生かせる場所である。

 利点のある光無線通信だが、霧(きり)などの環境変化や鳥などの障害物によって、通信しにくくなるため、高速データ通信の有力な選択肢としてみなされてこなかったという。そこでTaaraでは、いくつかの技術を導入してこの課題に対処したという。

 例えば、環境の変化に応じて、送信機から出射するビームの強度を変えたり、受信機内のミラーの位置を変えて受光部にビームが効率よく届くようにしたりした。このために、Taaraでは環境変化を検知する技術やミラーの制御技術などの機能の改良に取り組んできた。

光無線通信の送信機と受信機
光無線通信の送信機と受信機
環境に応じて、送信機側から出射するビームの向きも制御しているようだ(出所:アルファベット)
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 この他、Taaraでは、実験に当たり「ネットワーキングツール」も開発した。これは、各地の天候などの条件に基づいて、光無線通信に適する場所を調べるためのものである。これによって、光無線通信に適した地域で、同技術を採用してもらうことができる。

ネットワーキングツールを使い、光無線通信に適した場所を探す
ネットワーキングツールを使い、光無線通信に適した場所を探す
赤い色の部分が最も適する地域である(出所:アルファベット)
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