大手航空機メーカーのフランスAirbus(エアバス)は2021年9月21日、「UAM(Urban Air Mobility:都市型航空交通)」に向けた新しい電動の垂直離着陸(eVTOL)機「CityAirbus NextGen」を発表した。同社がこれまで開発してきたeVTOL機「CityAirbus」の次世代機で、デザインを大幅に刷新した。23年の飛行試験開始、25年ごろの認証獲得を目指している。
eVTOL機は、従来の航空機に比べて、運用面での手間やコストが低く、自動車のように手軽に乗れる可能性があることから、「空飛ぶクルマ」と呼ばれており、スタートアップ企業を中心に開発競争が活発である。AirbusはこれまでCityAirbusと「Vahana」の2種類のeVTOL機を開発してきたが、現在ではCityAirbusだけに絞っている。両機合わせて、これまで約240回の飛行・地上試験を実施し、合計で約1000kmを飛行したという。こうして得たノウハウをCityAirbus NextGenに注ぎ込む。
CityAirbusでは、4つの回転翼を備えた「クアッドコプター」型のドローンを大きくしたような形状だった。一方、新型機は、比較的大きな固定翼と8つの回転翼を備える。航続距離は80km、巡航速度は時速120kmである。 騒音は飛行中で65dBA以下、着陸時で70dBA以下とする。最大4人乗りという点は従来機と同じである。