富士通は2021年9月24日、プロジェクト情報共有ツール「ProjectWEB」への不正アクセスで顧客の情報が相次ぎ流出した問題を受け、2021年10月1日付で専任のCISO(最高情報セキュリティー責任者)を任命すると発表した。情報管理の在り方を含めて新たな情報セキュリティー体制を再構築する。
現在は水口恭子執行役員常務がゼネラルカウンセル(法務担当役員)とCISOを兼務しているが、太田雅浩理事が専任者としてCISOを引き継ぐ。CISO補佐には花山亨理事が就く。情報管理の在り方についてCISOを中心に社内関連部門の統率を強化し、全体をマネジメントする体制を再構築するという。加えて、経営幹部や対応要員の緊急招集スキームを改善することで、大規模なセキュリティー事故における初動の迅速性を高める方針とした。
富士通は現在、ProjectWEBへの不正アクセスについて外部有識者による「検証委員会」を設置し、調査を進めている。同社は「今後の検証委員会からの報告を受け、しかるべきタイミングで再発防止策など必要な情報の公表を検討している」(広報)とコメントした。
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