ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、人の動きをデジタル化する「mcframe MOTION」の製品体系を刷新するとともに、新機能を追加した。新しいmcframe MOTIONは、仮想現実(VR)を利用した学習用システムの「VR-learning」と、位置情報や画像を用いて人の動きを計測・分析するシステム「Human-tracking」の2製品から成る。
両製品はこれまでも提供していたが、今回「人の動きのデジタル化による作業者の能力向上サイクルの実現」をコンセプトに、2製品をmcframe MOTIONシリーズとして位置付け直した。加えて、それぞれに新機能を搭載した。発売は2021年10月1日。
AIによる画像認識で動きを分析
VR-learningは、熟練作業者の視点をVRで再現して、その作業ノウハウを学ぶためのもの。設備の稼働状況や計器のチェックといった作業での利用を想定している。技能習得や安全のための教育を現場に行かなくても受けられる。教材は、全天周カメラがあれば簡単に作成可能だ。新たにWebブラウザーでVR教材を配信できる機能を追加した。従来は、VR用のヘッドマウントディスプレー(HMD)が必須だったが、パソコンがあれば複数のユーザーが同時に学習できるようなった。
もう1つのHuman-trackingは、カメラの映像やビーコン、モーションキャプチャースーツなどの情報から人の作業や姿勢を計測し、作業効率や生産性の向上を支援するシステム。「作業の割合、定常作業のばらつき、非定常の発生頻度が分かる」(同社)。
今回の刷新に伴って、人工知能(AI)による画像認識技術を用いて、作業者の識別や動作の追跡などの計測精度を向上させた。これにより映像から自動で工程の分類・評価できるようになった。標準(お手本)映像を設定しておくと、それと比較してどれくらいずれているかも分かる。
近年、工場では人手不足が課題となっており、作業効率の改善やスピーディーな人材育成が求められている。mcframe MOTIONは、作業ノウハウをVRを使った教育教材を簡単に作成できるようにした上で、人の動きをデジタル化し、定量的な評価によって改善を促すことを狙っている。「現場に入る前の教育に使うのがVR-learningで、その教育内容を実践している現場を評価するのがHuman-tracking。評価で得られた気付きを再び教育にフィードバックしていくという使い方が理想」(同社)という。
これまでVR-learning、Human-trackingともに約30社(計約60社)の導入実績があるという。今後、mcframe MOTION事業を拡大し、3年間で両製品合わせて100社への新規導入を目指す。