アシックスとカシオ計算機は2021年10月1日、ウオーキング用のスマートフォンアプリ「Walkmetrix」の提供を開始すると発表した。両社は十分に息が上がるペースでのウオーキング「ファストウォーキング」を通じて人々の健康促進を狙っており、同アプリでファストウォーキングの展開を進める。同アプリの利用料金は無料。「1万歩ほどの量を歩いても、筋力・持久力の向上につながりにくい。運動効果の高いファストウォーキングで健康を促進する。いわばウオーキングの量から質の転換」(アシックススポーツ工学研究所スポーツコンテンツ研究部人間特性研究チームマネージャーの市川将氏)を狙う。
ファストウォーキングとは、年齢や性別などで適正速度が変化するものの、時速5~7kmの歩行を指す。ゆっくりと歩くと時速約4kmほどなので、通常より速く歩くことを意識したウオーキングである。「ウオーキングであっても速度が上がると、身体のエネルギー消費量や全身の筋活動量などが非常に大きくなる」(同氏)(図1、2)。
同じような速度であればファストウォーキングは、ランニングと似た運動効果を期待できる。ファストウォーキングは着地時の衝撃が小さい分だけ、ランニングと比べてケガのリスクも抑えられるメリットがある(図3)。
提供を開始したWalkmetrixは、主な機能として利用者の運動目的に合わせたプログラム設定(プログラム機能)やウオーキング・歩行フォームに関するデータなどの記録(アクティビティ機能)、歩数・消費カロリーなどの記録(ライフログ機能)を持つ(図4)。設定できる運動目的は体力向上やダイエット、気分のリフレッシュだ。目的に応じて最適なウオーキング方法を提案してくれる。「長く歩き続けられるように、ゆっくり歩くこと2分、ファストウォーキング3分を交互に繰り返すインターバルウォーキングも提案できる」(同氏)。同アプリは歩行速度を示してファストウォーキングを促したり、アラーム機能でインターバルウォーキングのタイミングを調整したりもする。