「2030年ごろには売上高8000億から1兆円を目指す」――。DMG森精機は、2021年9月30日に同社伊賀事業所において報道向けイベント「伊賀事業所メディアデー」を開催し、同日発表した金属アディティブ製造(AM)装置の新製品や、サービス力の強化に向けたエンジニアの研修施設「修理復旧技能研修センタ」などを披露した。

 同イベントのプレゼンテーションで同社取締役社長の森雅彦氏は、冒頭のように述べて今後の成長に強気の姿勢をみせた。同社の売上高(売上収益)は、工作機械業界全体が好調だった2018年度の5012億円をピークに、19年度は4858億円、20年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で3283億円に落ち込んでいる。しかし、21年度は回復基調にあり、「18、19年並みに受注が戻ってきた」(同氏)として3650億円を見込む。今後は、8000億~1兆円売り上げという高い目標実現に向け、自動化やデジタル化、人工知能(AI)活用などをさらに押し進めるとしている。

DMG森精機 取締役社長の森雅彦氏
DMG森精機 取締役社長の森雅彦氏
(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

複合加工と金属AMを融合

 売上高の伸長に向けて今後の成長に期待をかけているのが、金属AM装置だ。今回のイベントでは、金属AMの新製品「LASERTEC 3000 DED hybrid」を国内で初披露した。LASERTEC 3000 DED hybridは、複合加工機に金属AMの機能を持たせたもの。ワンチャックで金属の加工と積層造形ができる。AMの方式は、母材に吹き付けた金属粉末をレーザーで溶融する「指向性エネルギー体積法(Direct Energy Deposition)」を採用している。

金属アディティブ製造の新製品「LASERTEC 3000 DED hybrid」
金属アディティブ製造の新製品「LASERTEC 3000 DED hybrid」
複合加工機に金属AM機能を持たせた。(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 21年9月に開設した研修施設「修理復旧技能研修センタ」も報道陣に公開した。同センタは、工作機械が故障した際の修理復旧に必要なスキルを磨くための人材育成施設。近年の工作機械は、5軸化や複合化、自動化、デジタル化が進み、その修理や復旧には幅広い知識と技術が求められるようになっていることから、サービス力の一層の強化に向けて開設した。新入社員教育などにも活用し、労働安全などの研修も行う。

サービスエンジニアのスキルアップのための研修施設「修理復旧技能研修センタ」
サービスエンジニアのスキルアップのための研修施設「修理復旧技能研修センタ」
(出所:DMG森精機)
[画像のクリックで拡大表示]

 この他、9月に発表した協働ロボットを搭載した自動搬送車「WH-AGV5」、作業手順書や作業の着完などの情報収集をデジタル化する「TULIP」などを披露した。WH-AGV5は同社が独自開発した自動搬送車(AGV)に安川電機製の協働ロボットを搭載したもの。レーザースキャナーにより周囲の障害物を認識して自律走行できる。21年10月1日に発売した。

協働ロボットを搭載したAGV「WH-AGV5」
協働ロボットを搭載したAGV「WH-AGV5」
工場内でのワークや工具の搬送といった利用を想定している。(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]