日産自動車は2021年9月29日、米国ミシガン州のエンジニアリングセンター、Nissan Technical Center North America(NTCNA)が新たに4000万ドルを投資して、車両の安全性を試験する「Safety Advancement Lab(安全性向上ラボ)」を新設すると発表した。この新しいラボでは、クルマの開発プロセスの効率を高め、事故死者ゼロという同社の目標を推進する研究が行われる。
新ラボは、主にパッシブセーフティーの技術開発に重点を置き、衝突試験、認証試験、高度な開発試験、ベンチマークテストなどを実施できるオンサイト試験機能を設置する。衝突が発生した場合に乗員や歩行者をけがから保護するための、車両構造、エアバッグ、シートベルトなどの性能や、その他のメカニズムを評価する。
11万6000平方フィート(約1万777m2)の施設には、高速撮影システム、データ収集機器、精密な車両牽引システムなどが装備され、衝突試験用ダミーのキャリブレーションや車両準備のためのスペース、歩行者安全ラボなどが含まれる。また、高電圧を採用した電気自動車(EV)の安全性を評価する装備も設ける。この施設が完成すると、エンジニアは48種類のパッシブ衝突試験シミュレーションをオンサイトで実施でき、効率的に結果の分析ができるという。