パナソニックは2021年10月1日、高純度の水素と空気中の酸素との化学反応で発電する純水素型燃料電池の販売を開始した。東京オリンピック・パラリンピックの選手村を活用する大規模マンション「晴海フラッグ」(東京・中央)などへの納入が既に決まっているという。

 発電出力は5kWで、業務用途を想定する。同社の家庭用燃料電池「エネファーム」の技術を応用し、発電効率56%を実現した(図1)。

図1 パナソニックが開発した純水素型燃料電池「H2 KIBOU」
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図1 パナソニックが開発した純水素型燃料電池「H2 KIBOU」
(出所:パナソニック)

 開発した純水素型燃料電池「H2 KIBOU」は、外形寸法が幅834×奥行き417×高さ1766mm。単体で、小規模な商業施設などの需要に適した5kWの発電出力を得られる。複数台の連結制御も可能。

 エネファームで培った技術を応用することで、「純水素型燃料電池で業界最高」(パナソニック)となる発電効率56%を実現した。燃料電池のキーデバイスであるスタックをエネファームと共用化した(図2)。なお、価格は「非公開」(同社)とした。

図2 純水素型燃料電池の構成
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図2 純水素型燃料電池の構成
(出所:パナソニック)