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 日本製鉄など6社は2021年9月30日、石灰石運搬船「下北丸」の後継船をハイブリッド推進システム船として建造すると発表した。天然ガス専焼エンジンと駆動用リチウムイオン電池パックを組み合わせる。常用出力時、従来の同型船比で二酸化炭素(CO2)排出量を約3割減らせる。24年2月の運航開始を目指す。カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)実現に向けて海運での脱炭素を進める。

ハイブリッド推進システム船の構成イメージ図
ハイブリッド推進システム船の構成イメージ図
図中「バッテリ」は文中で「駆動用リチウムイオン電池パック」と表記している。(出所:日本製鉄など6社)
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 後継船は、荷主を日本製鉄と日鉄セメント(北海道室蘭市)、船主・運航をNSユナイテッド内航海運(東京・千代田)、液化天然ガス(LNG)供給を石油資源開発、推進装置を川崎重工業が担う。常石造船(広島県福山市)の造船所で建造する。

 9月30日に各社共同で発表したのは、建造の合意と「輸送契約覚書」、「船舶燃料用液化天然ガス売買契約」、「建造契約」、「天然ガス専焼エンジンとバッテリ推進システム売買契約」の締結である。

 国内初の天然ガス専焼主機と容量2847kWhの駆動用リチウムイオン電池パックを搭載する。エンジンを動かすLNGのタンクには、日本製鉄が開発した7%ニッケル鋼板を船舶用タンクとしては初めて適用するという。

 巡航時には、川崎重工が開発した天然ガス専焼エンジンで推進力と船内電力を供給する。天然ガスのみで長距離、かつ長時間の運航を可能にする。入出港時や停泊時は電池パックから推進力と船内電力を供給。これにより「ゼロエミッション運転を実現する」(日本製鉄など)という。

 後継船は全長約93.8m、型幅約18.2m、型深約9.9m。載貨重量トン数(DWT)は約5560トンとする。石炭石を積載して、主に青森県尻屋岬港と北海道室蘭港を結ぶ航路で運航する。