阪急阪神ホールディングスグループの阪神電気鉄道、アイテック阪急阪神、ベイ・コミュニケーションズおよび阪神ケーブルエンジニアリングは2021年10月18日、阪神武庫川線において、画像解析AIやローカル5G、地域BWAを鉄道運営に活用する実証実験を実施すると発表した。踏切・ホームなどのさらなる安全性の向上および設備点検業務の省力化の実現を目指し、実証実験を2021年10月25日に開始する。

 実証実験は、阪神武庫川線の東鳴尾駅(踏切)、武庫川駅(ホーム)および営業運行中の車両で実施する。踏切では、設置したカメラで踏切内での人や自動車の立ち往生などをAIで検知し、ローカル5Gおよび地域BWAでリアルタイムに指令員や乗務員へ通知する。

 ホーム上では、設置したカメラで発車直前の旅客の駆け込み乗車、発車直後の車両への接近、ホームからの旅客の転落などをAIで検知し、ローカル5Gおよび地域BWAでリアルタイムに指令員や乗務員へ通知する。さらに沿線にある各種設備について、車両前方に設置するカメラを使った異常状態の検出に向けたAI解析モデルを構築する。

実証実験の概要
実証実験の概要
(発表資料から)
[画像のクリックで拡大表示]

 この実証実験において、阪神電気鉄道は実証実験全体の統括、鉄道運営における有効性の検証、実験フィールドの提供を行う。アイテック阪急阪神は、各種AIシステムの開発、技術検証を行う。ベイ・コミュニケーションズは地域BWA通信基盤の提供を、阪神ケーブルエンジニアリングはローカル5G通信基盤の構築と技術検証(2021年7月に免許を取得したSub6帯の実験試験局を利用)を行う。なおこの実証実験では、指令員や乗務員に直接通知は行わず、模擬環境の下で検証を実施する。

 この実証実験では、画像解析AIとローカル5Gによる異常検知などの実用可能性を検証する。カメラ映像やAI解析結果を伝送する通信基盤としてローカル5Gに加えて既存の地域BWAで比較検討を行い、より最適な通信方式を検証する。ローカル5Gは実験試験局として武庫川線沿線を広くカバーすることで、将来の鉄道環境における広域利用を見据えた検証を行っていく予定。

発表資料