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 デジタル庁は2021年10月19日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種証明書(以下、証明書)の電子交付に向けた仕様案の意見募集結果を公表した。意見を受けて、スマートフォン上で提示する2次元コード付き証明書の表示方法を変更したほか、事業者向けの接種情報取得API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)提供を見合わせることにした。

 システムの企画から開発までデジタル庁が進めている。運用開始時期について従来は年内としていたが、今回12月中旬と説明した。2021年9月に2次元コード付き証明書の仕様案と事業者向けの接種情報取得APIの仕様案を公開し、意見を募集していた。

 スマホで提示する2次元コードについては、利用者がスマホで証明書アプリをダウンロードし、スマホにマイナンバーカードをかざした上で4桁の暗証番号を入力して申請する。個人の接種記録はデジタル庁が運用する「ワクチン接種記録システム(VRS)」でマイナンバーとひも付けて記録されているため、申請するとVRSの接種情報を確認して、スマホアプリ上に2次元コード付き証明書を交付する。2次元コードには「漢字氏名」「生年月日」「ワクチン名・メーカー名」「ロット番号」「接種日」「証明書ID」「発行日」などが含まれる。

 当初の仕様案では、スマホ画面には2次元コードに加えて「生年月日」「氏名」を表示するとしていたが、意見募集の過程で「(2次元コードを提示する店舗の人などに)生年月日や氏名を知られたくない」「利用者が表示する情報をコントロールできるようにすべきだ」などの指摘が相次いだ。そこでスマホ画面に表示する情報を、「接種済みであることのみを表示する」「2次元コードのみを表示する」「2次元コードと生年月日や氏名を表示する」といった3段階を選択して表示できるように変更した。

 事業者向けの接種情報取得APIについては、提供を見合わせることにした。飲食店の予約などでの利用を想定していたが、意見募集や事業者への聞き取りの結果、利用希望が少なかった。API提供による個人情報漏えいなどセキュリティー面での懸念も多く、対応に時間とコストがかかるため、2021年内の運用開始に間に合わないと判断したという。