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 NHKは2021年10月26日、同日の経営委員会での議決を受けて「NHKインターネット活用業務実施基準」の変更案を総務省に認可申請したと発表した。今回の実施基準変更の目的の1つは、テレビを持たない人を対象に、インターネットを通じて番組などを試験的に配信する「社会実証」の実施を可能にすることである。

 実施基準については、2022年4月1日の変更を想定して2021年8月31日にNHKが変更の素案を公表し、経営委員会で意見募集を行っていた。社会実証については、その内容や実施方法などといった具体的計画の早期開示を求める意見が多かったことから、変更案では別紙の形でその概要を示した。

 それによると、NHKのインターネット活用業務が果たしうる社会的役割を検証するために、テレビを日常的に利用しない者(テレビ受信機を設置していない者を含む)や利用の少ない者に対して、インターネットを通じて放送番組などを提供する。内容は「NHKの放送番組および放送番組の理解増進情報を組み合わせたサービスを、検証内容に沿った範囲で設定して、あらかじめ選定した対象者に対して期間を限って提供する」というものである。複数回にわたって実施することがあるとし、提供にあたり対価は求めない。提供の期間は1回当たり1週間から最大3カ月程度、対象者数は1回の提供当たり最大3000人程度とする。

 検証項目は、「提供するサービスの受容のされ方」「サービスの提供を通じた情報の多様性、多元性への貢献など公共放送の目的・意義の認知や評価のされ方」などである。具体的な内容や期間などについては、当該年度の実施計画に記載する。

 今回のように実施基準の変更案が総務省に認可申請された場合、総務省がパブリックコメントを実施したあと翌年の1月に認可されると想定される。実施計画は、NHKが毎年度策定しており、従来通りであれば、実施基準の認可を受けて2022年1月に新年度の実施計画が公表される見通しである。

 今回の実施基準変更案では、社会実証の他に、受信契約者向けに現在提供されている「NHKプラス」のサービス改善に向けた規定の見直しも盛り込んだ。具体的には、利用のハードルを下げることを目指した仮登録の仕組みや、見逃し配信についてはスマートフォンやパソコンだけでなくテレビでも見られるようにするといった内容である。

発表資料