富士通と富士通Japanは2021年11月4日、健康経営に取り組む企業を支援するクラウドサービス「LifeMark 健康経営ソリューション」の販売を始めると発表した。
同サービスの特徴の1つが、ユーザー企業の従業員の健康情報を基にして、健康経営の質を評価するための指標を意味する「アウトカム(成果)評価指標」のシミュレーションを行えるようにしたことだ。
シミュレーションでは、従業員の血圧や睡眠時間、飲酒習慣といった14種類の「リスク要因」と、従業員の離職率など4種類のアウトカム評価指標の相関関係を導き出す。リスク要因がアウトカム評価指標に及ぼす影響をみるアルゴリズムは独自のもので、東京大学大学院医学系研究科の川上憲人教授の研究室と共同開発した。
ユーザー企業はアウトカム評価指標に影響を及ぼすリスク要因を特定したうえで、どのような健康施策から取り組むべきかを見極められるようにする。さらにアウトカム評価指標の目標値を設定したうえで、前年度に取り組んだ健康施策の成果も可視化できるようにする。
同サービスは健康診断の結果やストレスチェックといった従業員の健康情報を集約する機能も備える。これを基にシミュレーションのほか、現状分析やシミュレーションの予測精度の改善などを可能にしている。
富士通Japanは2020年度、富士通で健康経営を推進する部門と連携し、約3万人いる富士通の従業員を対象としてシミュレーションなどに取り組んできた。この取り組みの中で、アルゴリズムの精度向上など同サービスの開発を推進してきた。富士通と富士通Japanは同サービスにより、2024年3月末までに1億4000万円の売り上げを目指す。