DMG森精機は2021年11月5日、21年度12月期第3四半期の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比17.0%増の2743億円(前年同期は2344億円)、営業利益は前年同期比で約2.7倍の167億円(同62億円)だった。
また、半導体製造装置や電気自動車(EV)、医療、宇宙、脱炭素関連向け需要増などを背景に、5 軸加工機や複合加工機などの受注が継続して好調であると予想。21年12月期の連結業績予想を上方修正し、売上収益は20年度実績に比べて15.8%増の3800億円、営業利益は115.5%増の230億円を見込む。
同社取締役社長の森雅彦氏は「今後も12月にかけて、今まで以上の成長が力強く続いていく」と好調した。堅調な業績の背景として、「新型コロナ禍におけるオペレーター不足や、週末・夜間の(工場の)稼働率を上げるための自動化、自動化によって必要になるモニタリングのためのデジタル化などが進み、工程集約を図るために5軸加工機が必要という循環になっている」という国内外の製造業の状況を挙げた。一方で、「半導体や板金、鋳物などの価格上昇、船賃など物流コストアップを顧客とどのようにシェアするかが課題」と指摘した。
森氏はこの他、サプライチェーンにおけるSDGs(持続可能な開発目標)の重要性に言及。「5 軸加工機や複合加工機などを利用すれば、複数台を1台に置き換えて電力消費や工程内在庫を減らせる」との見解を示した。
同社はCO2排出量について、自社努力で対応できるスコープ1(直接排出量)およびスコープ2(2次エネルギーの使用による間接排出量)を、30 年までに19 年比で60%まで削減する計画を掲げている。森氏は「23年から30年の間に、スコープ3(サプライチェーンを含めた排出量)でのカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)達成を目指す」との目標を述べた。