日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2021年11月5日に発表した同年10月の車名別新車販売台数(速報値、以下同じ)によると、登録車と軽自動車を合わせた総合順位で、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」シリーズが4カ月連続で首位となった。
総合順位の2位はスズキの軽自動車「ワゴンR」、3位は日産自動車の軽自動車「ルークス」である。ワゴンRは9月の6位から躍進し、軽自動車だけの順位では14年12月以来の首位となり、ホンダの軽自動車「N-BOX」を抜いた。スライドドアを採用した派生車「ワゴンRスマイル」を21年9月に発売したことが販売増加に寄与した(図1)。
9月まで3カ月連続で2位だったホンダの軽自動車「N-BOX」は、10月は5位に順位を下げた。10月の販売台数は、9月より4300台以上減った。車載半導体や東南アジアからの部品調達の不足によって、各社は断続的な減産に追い込まれている。N-BOXの販売減少も、半導体不足などが影響したようだ。
半導体や部品の不足の影響が続く中で、トヨタの小型ハイブリッド車(HEV)「アクア」とホンダの小型SUV(多目的スポーツ車)「ヴェゼル」が健闘した。
アクアの10月の販売台数は9月より3400台以上減ったが、前年同月比では88%以上の増加となった。21年7月に発売した全面改良車が、9月に続き10月も好調な販売に寄与した。9月の順位は3位だったが、10月は4位に踏みとどまった(図2)。
ヴェゼルの10月の販売台数も、9月より2900台以上増えた。前年同月比では120%以上の増加である。9月の順位は10位以下だったが、10月は8位に返り咲いた。
21年10月の新車販売上位10車種は、以下の通りである(カッコ内は前年同月比の増減率、※は軽自動車)。
2021年10月 | メーカー名 | 車種名 | 販売台数 |
---|---|---|---|
1位 | トヨタ | ヤリス | 1万596台(-43.0%) |
2位 | スズキ | ワゴンR | 8808台(+79.7%)※ |
3位 | 日産 | ルークス | 8696台(+23.0%)※ |
4位 | トヨタ | アクア | 7643台(+88.1%) |
5位 | ホンダ | N-BOX | 7442台(-56.3%)※ |
6位 | トヨタ | カローラ | 7278台(-29.2%) |
7位 | トヨタ | ルーミー | 6999台(-39.1%) |
8位 | ホンダ | ヴェゼル | 6831台(+128.8%) |
9位 | スズキ | スペーシア | 6319台(-48.4%)※ |
10位 | ホンダ | フリード | 6237台(-20.5%) |