静岡県と掛川市は2021年11月9日、5G(第5世代移動通信システム)を使った自動運転の実証実験を東急やソフトバンクと共同で実施すると発表した。5Gには、従来方式の「NSA(Non-Stand Alone)」ではなく、新方式の「SA(Stand Alone)」を利用する。地域交通の課題解決を目的とした「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」の一環で、12月16日から22日まで実施する予定だ。

 県内の複数都市を走行する2台の自動運転車両の運行状況をコントロールセンターからリアルタイムで監視し、必要に応じて車両を遠隔操縦する。車両やシステムの提供と運行管理を東急が担当する。

 具体的には、人工知能(AI)を使った画像解析機能を搭載するカメラを運行ルートにあらかじめ複数台設置しておく。これらのカメラで対向車や歩行者などを検知した場合、映像をコントロールセンターに伝送し、車両の遠隔監視や遠隔操縦に利用する。映像伝送にはソフトバンクが2021年10月に提供を開始した5G SAの商用ネットワークを使う。

AIカメラの映像を「5G SA」経由でコントロールセンターに届ける(イメージ)
AIカメラの映像を「5G SA」経由でコントロールセンターに届ける(イメージ)
(出所:ソフトバンク)
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 携帯電話事業者が現在提供している5Gサービスのネットワークは、ほとんどがNSAを採用している。NSAでは、4Gネットワークで通信を確立したうえで、5Gネットワークで高速・大容量のデータ通信を行う。5G単独では動作しないため「Non-Stand Alone」と呼ばれる。一方、SAは5Gネットワークだけで動く。データ通信の遅延時間が4Gよりも大幅に短くなるなど、5Gのメリットをフルに生かせるようになる。