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 川崎重工業は2021年11月9日、2021年度(2022年3月期)第2四半期の決算を発表した。鋼材価格の上昇による船舶中国合弁会社の業績悪化による投資損失が発生したものの、航空宇宙システム分野が改善しつつあり、モーターサイクル&エンジン(MC&E)や精密機械・ロボットの好調に支えられて、第2四半期までの累計(21年度上期)では前年比で増収・増益となった。

 21年度第2四半期の売上高は3254億円、営業利益は52億円で、21年度上期の累計売上高は6810億円、同営業利益は204億円だった。21年度第2四半期を同年第1四半期(4~6月期)と比較すると減収減益だが、21年度上期(4~9月期)では前年同期比3.6%増、営業損益は前年の営業損失218億円から422億円増と大幅に改善した。

川崎重工業の2021年度第2四半期決算の概要
川崎重工業の2021年度第2四半期決算の概要
(出所:川崎重工)
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航空機事業は回復基調もまだ厳しい、2輪車は米国と東南アジアで好調

 セグメント別では、21年度上期で91億円の赤字と最も大きな営業損失となったのが航空宇宙システム。20年度上期の営業損失238億円からは大幅に回復しているものの、世界の旅客需要低迷で、民間向け事業は厳しい状況が続く。例えば、ボーイング向けの機体分担製造では、20年度上期の売上機数は48機だったが、21年度上期は21機だった。ただし、エンジンの売上台数は増加しており、機体よりも早期な回復が期待できるとする。

 好調だったMC&Eは、先進国の旺盛なアウトドア需要を背景に、大幅な増収増益を実現した。具体的には北米市場向けの2輪車、汎用エンジンに加えて、欧州と東南アジア(フィリピンとインドネシア)で2輪車の販売数が大きく増加。MC&Eの21年度上期の売上高は2068億円と前年同期比で670億円増、営業利益は185億円と前年同期の営業損失51億円から237億円改善している。


川崎重工業のセグメント別2021年度第2四半期決算
川崎重工業のセグメント別2021年度第2四半期決算
(出所:川崎重工)
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建設機械の油圧機器と半導体製造装置向けロボットが増加

 精密機械・ロボットでは、建設機械市場向けの油圧機器や半導体製造装置向けの各種ロボットが好調だった。21年度上期の売上高は、油圧機器が785億円、ロボットが397億円の計1182億円と、前年同期比で192億円増加。営業利益も89億円と同55億円増加している。ロボットに関しては、半導体分野の21年上期売上が、自動車の車体組立・塗装ロボットと同等にまで伸びている。

 残るセグメントである車両とエネルギーソリューション&マリンは、21年度上期の売上高が前年同期からいずれも110億~120億円ほど減少し、車両は13億円の黒字、エネルギーソリューション&マリンは9億円の赤字だった。車両では米国向けは増加したものの、その他の地域向け車両の減少が響いた。

 なお、21年10月12日に発生した米国のワシントン地下鉄車両の脱線事故についても、決算説明会で言及した。ワシントン首都圏交通局(WMATA)および米国の国家運輸安全委員会(NTSB)の要請に従って調査に協力しているとしつつ、車両をWMATAに引き渡した時点で技術仕様に合致していたことを確認しているとした。