シュナイダーエレクトリック(東京・港)は2021年11月10日、産業IoT(Internet of Things)に関連する2つのソフトウエア製品を発表した。[1]複数のPLC(Programmable Logic Controller)プログラムをまとめて開発・制御できる「EcoStruxure Automation Expert」、[2]SCADA(監視制御システム)とHMI(Human Machine Interface)を兼ね備えた「BLUE Open Studio」である。
[1]EcoStruxure Automation Expertは、PLCなどの制御機器を接続した産業用パソコン(IPC)で使うWindows用ソフトウエア(図1)。一般に、複数のPLCを用いて製造ラインを構築しようとすると、それぞれのPLCごと個別にプログラムを開発する必要がある。すると、PLCの機種や製造元によって開発環境が異なる場合があるため、開発時に異なる環境をまたいだ調整が必要になる。
そこで、EcoStruxure Automation Expertは1つの環境で複数のPLCのプログラムを開発・運用できるようにした。同製品で開発したプログラムを搭載したPLCはそれぞれ単独動作するのでははく、IPC上で統合的に制御された状態で動作する。データの分析や見える化、シミュレーション機能も備える。同製品が機種の違いを吸収するため、接続したPLCが壊れても、すぐに他の機器と入れ替えられるという。
「ハードウエア選定後にプログラムを設計するのではなく、プログラムを設計した後にどのハードで動作させるのかを割り当てられる」(同社)。現時点で価格は未定。日本での販売開始は22年夏ごろを予定する。
[2]BLUE Open Studioも、IPCにインストールして使うWindows用ソフト(図2)。ライン単位または工場単位で、製造現場のデータを見える化する。同社が長らくHMI製品「Pro-face」で培ったノウハウを生かした。250種類以上の通信ドライバーを標準搭載し、製造現場のさまざまな装置とプログラムなしで接続できる。発売は21年11月17日。