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 三菱電機は2021年11月11日、重点成長事業と位置付ける空調冷熱システム事業の戦略説明を行った。25年度に売上高を1兆2600億円に、営業利益率を12%以上にする目標を掲げる。20年度の実績は売上高が8100億円、営業利益率が9.1%だった。

空調冷熱システム事業の成⻑⽬標
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空調冷熱システム事業の成⻑⽬標
25年度に営業利益率を12%以上とダイキン工業超えを狙う。(出所:三菱電機)

 競合企業であるダイキン工業を意識した数字に見える。同社は25年度に売上高を3.6兆円(うち空調機事業は約9割)に、営業利益率を約12%に伸ばす計画だ。20年度の実績は売上高が約2兆4934億円、営業利益率が9.6%だった。

 25年度までの「成長率」で三菱電機はダイキン工業超えを狙う。売り上げを1.4倍伸ばし、営業利益率を約2.4ポイント高めるダイキン工業に対し、三菱電機は売り上げを約1.6倍増やし、営業利益率を2.9ポイント以上高める計画だ。売り上げの絶対値ではかなわないものの、売上高の伸びと営業利益率の高さではダイキン工業を超えるという目標である。

規模で劣る上に、品質不正の潜在的な影響も

 この目標の達成は可能か。20年度の時点で、ダイキン工業の売り上げ規模は三菱電機の3倍以上ある。販売台数が大きく違うため、量産効果の点でコスト競争力ではダイキン工業に分があるとみられる。ダイキン工業は業務用エアコンを中心に販売の自前主義、すなわち「直売(ちょくばい)戦略」を採っていることもあり、製品の単価はダイキン工業の方が高い。

 加えて、三菱電機の空調冷熱システムは、主力商品である業務用エアコンで品質不正問題を抱えている。この問題が及ぼす潜在的な負の影響は未知数だ。

三菱電機常務執行役リビング・デジタルメディア事業本部長の鈴木聡氏
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三菱電機常務執行役リビング・デジタルメディア事業本部長の鈴木聡氏
(写真:日経クロステック)

 営業利益率の目標について三菱電機は、「それぞれの地域で利益目標を立てた結果で実現可能だ。(ダイキン工業とは)必ずしも競争している地域が一致しているわけではない。当社が比較的強い欧米市場が極めて高い成長・収益性を実現している」(同社常務執行役リビング・デジタルメディア事業本部長の鈴木聡氏)と説明した。

 一方、品質不正の問題については、謝罪後に「品質不正の影響は織り込んでいない。現在、お客様に丁寧におわびしながら取り組み状況を説明し、理解を求めている最中。これからの事業への影響を含めて判断する」(同氏)と語った。