日立製作所は2021年11月11日、群馬県高崎市の企業・団体と共同で2021年11月15日から福祉・介護型MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)の実証実験を始めると発表した。共同するのは在宅介護支援などの事業を手掛けるエムダブルエス日高(MWS日高)と、デイサービスの送迎に関する配車システムなどを手掛ける一般社団法人ソーシャルアクション機構である。
通所介護施設の送迎計画を自動立案したり、送迎車両と利用者をマッチングしたりできるMaaS関連サービスを、高崎市内にあるMWS日高の施設で使うことで実証していく。サービスはソーシャルアクション機構と日立製作所が開発した。
まず組み合わせ最適化に関する計算手法を用いて、送迎計画の自動立案に取り組む。車いすや付き添いの有無、送迎時間の許容範囲といった送迎車両の利用者それぞれに関する制約条件などを基に送迎計画を自動立案できるようにしている。90人の利用者と車両15台の規模だと、10分以内で計画を作成でき、利用者の満足度が高くなるようなルート設定や急な再計画も可能だという。
今後は送迎計画に基づいて運行する車両と、利用を希望する人をマッチングするオンデマンド送迎のサービスについても検証していく。さらに一連の実証実験で得たデータを検証したうえで、送迎車両を利用する人の利便性も高めるような介護業界向けの新しい交通サービス基盤を整備し、全国展開につなげていくとしている。