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 「東芝にもはや総合電機メーカーという感覚はない。これは解体ではなく、進化だ」――。こう力を込めるのは、東芝 代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏だ。東芝は2021年11月12日、新たに独立会社を設立し、同社の事業を3社に分割・再編すると発表した。23年度下期に分離し、独立会社の上場完了を目指す。「半導体事業が好調なため、今後積極的に投資していきたい」(同氏)と述べる(図1)。

図1 会見に出席した東芝 代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏(同社の配信画面をキャプチャー)
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図1 会見に出席した東芝 代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏(同社の配信画面をキャプチャー)

 東芝が分割して新たに設立するのは、再生エネルギー事業などが中心となる「インフラサービスCo.(インフラサービスカンパニー)」と、半導体事業が中心となる「デバイスCo.(デバイスカンパニー)」の2社*。キオクシアホールディングス(以下、キオクシア)と東芝テックの株式は東芝が保有する。一方で、同社が4割を出資するキオクシアの株式については「実務上可能な限り、全て現金化する」(綱川氏)と明らかにした(図2)。

*いずれも仮称で、「今後決定し次第公開する」(東芝)という。

図2 東芝の分割後のイメージ(出所:東芝)
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図2 東芝の分割後のイメージ(出所:東芝)

 インフラサービスカンパニーは、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、デジタルソリューション、電池事業の各事業から構成する。21~23年度での同社の設備投資は2160億円と設定し、次世代太陽電池の代表ともされるペロブスカイト型太陽電池などに注力する。研究開発費(同期間)は2320億円で、量子暗号通信事業などに投資する(図3)。

図3 インフラサービスカンパニーは次世代太陽電池などに注力(出所:東芝)
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図3 インフラサービスカンパニーは次世代太陽電池などに注力(出所:東芝)

 デバイスカンパニーは、デバイス&ストレージソリューション事業から構成し、半導体不足で需要が高まるデバイス製品に積極投資する。

 21~23年度の設備投資は1880億円とし、パワー半導体で口径300mmウエハーに対応する製造ライン(300mmライン)の構築を加速する。研究開発費(同期間)は1530億円で、高耐圧SiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)ベースのパワー半導体などに投資する。「300mmラインは半導体不足の影響でこれまでも需要が高まっていたが、対応が遅れたことを反省している。会社分割後は俊敏な経営ができるようになるはずだ」と綱川氏は語る(図4)。

図4 デバイスカンパニーは半導体に積極投資(出所:東芝)
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図4 デバイスカンパニーは半導体に積極投資(出所:東芝)