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ルネサスに並列ベクトルプロセッサーIPコアを提供

 NSITEXEは、前述したML041とは別のIPコアをルネサス エレクトロニクスに提供したことを21年11月9日に発表した ニュースリリース 。提供したIPコアはRISC-Vベースの並列ベクトルプロセッサーIPコア「DR 1000 C」で、ルネサスが同日に発表した車載マイコン「RH850/U2B」に集積された。このマイコンは。RH850ファミリーの最上位品であり、複数のECU(電子制御ユニット)を統合する次世代のE/E(電気/電子)アーキテクチャーに対応する。RH850/U2Bのサンプル出荷は22年4月に始まる。

 NSITEXEによれば、DR 1000 Cは、セーフティークリティカルな要件に対応する車載用MCUに必要な高い負荷の演算処理(モデル予測制御やリアルタイムモデリング、センサーデータ処理など)のオフロードに向けた。最大16のハードウエアスレッドがベクトルプロセッサーを効率的に利用できるため、高い性能が得られるとする。また、DR 1000 Cは、RISC-V Vector Extensionを実装したプロセッサーとしては、世界で初めて自動車向け機能安全規格ISO 26262の安全要求レベルに対応したという。独SGS-TÜVのASIL D Ready認証を取得している。なお、DR 1000 Cは車両制御向けマイコンだけではなく、FA等の産業機器、RADAR等のセンサー処理など、様々な組み込みシステムへ応用できるという。

DR 1000 Cの機能ブロック図
DR 1000 Cの機能ブロック図
(出所:NSITEXE)
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 NSITEXEはDR 1000 C向けの開発キットを用意している。例えば、ASIL D準拠のソフトウエア開発キット「DR1000C-SDK(Software Development Kit)」が提供するスレッド制御やメモリー保護・時間保護機能、ISO 26262に準拠したツールチェーンを使えば、ユーザーはアプリケーション開発に専念することができ、全体の開発期間の短縮が可能だという。SDKに含まれるスレッド制御ソフトウエアにはリアルタイムタスクの優先実行やスレッド実行監視などセーフティー・クリティカル・システムで必要な様々な機能が備わっているとする。

 また、「DR1000C-HSK(Hardware Safety Kit)」として、故障モード影響診断解析(FMEDA)や、セーフティーマニュアル、セーフティー・ケース・リポート及びISO 26262関連のドキュメントが提供される。これによって、ユーザーは、車両制御マイコンの機能安全性解析と認証取得の期間を短縮できるという。なお、DR 1000 CはISO 9001品質マネジメントシステムに基づいて開発されており、厳しい車載品質にも対応しているとのことである。

DR 1000 Cの利用例における処理の流れ
DR 1000 Cの利用例における処理の流れ
(出所:NSITEXE)
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