デンソー完全子会社で半導体IP(Intellectual Property)コアの開発・販売を手掛ける「エヌエスアイテクス(NSITEXE)」(東京都港区)は、AI(人工知能)のニューラルネットワーク処理向けアクセラレーターIPコア「ML041」を開発した。同社はこのIPコアの顧客への評価提供を始めたと、2021年11月10日に発表した ニュースリリース

 NSITEXEによれば、従来のニューラルネットワーク処理では、レイヤー処理ごとに中間データを消費電力の大きい外部メモリーに退避しており、これが電力効率低下の原因となっていた。一方、今回のML041では、入力データを分割(Tiling)し、分割した各データに対して複数のレイヤー処理を施して出力を連結する(Layer fusion)ことにより、中間データの外部メモリーへーの退避を省き、電力効率を向上させたとする。これで、VGG16やMobileNet、ResNetといったよく知られたニューラルネットワークを12TOPS/Wの電力効率で実行できる見込みだという(7nm世代プロセスで製造するSoCに実装した場合)。

従来処理(左)と今回のIPコアの処理(右)
従来処理(左)と今回のIPコアの処理(右)
今回のIPコアによる処理では、中間データのために外部メモリーをアクセスする回数が減る。(出所:NSITEXE)
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 また、ML041には、オプションでハードウエアランダム故障の検出回路を内蔵することができる。このため、IPコアの外部に特殊な検出回路を追加することなく、セーフティー・クリティカル・システムにAI機能を盛り込めるという。