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 国内自動車メーカーなどが集まる自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI)は2021年11月15日、22年度の研究方針を説明した。内燃機関から電気自動車(EV)用モーターやその関連技術に研究の軸足を移す。とりわけ重視するのがモーターの高回転化だ。現状は1万3000rpm前後にとどまるが、5万rpmの「超高回転」を見据えた研究を進める。

TRAMIでは歯車機構にとどまらず、モーターも研究対象だ(撮影:日経クロステック)
TRAMIでは歯車機構にとどまらず、モーターも研究対象だ(撮影:日経クロステック)
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 TRAMIは、国内自動車メーカー9社と変速機メーカー2社が集まり18年に設立した企業組合。産学連携を重視しており「企業のニーズと大学などのシーズに基づく研究シナリオ」を策定し、非競争領域のテーマに絞って企業と大学で研究を進めている。

 TRAMI運営委員長の藤戸宏氏(トヨタ自動車パワートレーンカンパニーパワートレーン機能開発部主査)は22年度の研究方針として「駆動系にとどめず、電動化に広げている」と説明した。TRAMIの研究対象としてかねてエンジンを外す一方、最近はモーターを重視している。今後は「インバーターを対象に入れるか検討している」(藤戸氏)とも明かす。

 モーター研究でTRAMIが注力するのが、回転数を高めることだ。モーターの出力は回転数とトルクで決まるため、回転数を高めるとトルクを抑えて体積を小さくできる。

TRAMI運営委員長の藤戸宏氏(撮影:日経クロステック)
TRAMI運営委員長の藤戸宏氏(撮影:日経クロステック)
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 現在のEV用モーターの回転数は1万3000rpm前後で、TRAMIは近い将来に2万rpm以上になると想定する。例えば米Tesla(テスラ)が採用するEV用モーターは2万rpm近くに達するとされる。一方でエンジンの最高回転数は6000rpm程度と低く、エンジン向けに開発してきた技術をそのまま適用しにくい。

 22年度は、TRAMIは5万rpmまで高めることを想定した研究を進める方針だ。例えば5万rpmのモーターと組み合わせるギアへの影響などを検討する。またモーターの高回転化に伴って生じる課題といえるギアのかみ合い摩擦や発熱、冷却用オイルへの影響なども研究対象にする。