NTTドコモは2021年11月18日、産業分野でのドローンの活用を推進するための新たな取り組みを発表した。それに合わせて、19年3月に提供を開始したドローンを活用するためのプラットフォーム「docomo sky」の名称を「docomo sky Cloud」に変更し、「docomo sky」をNTTドコモのドローンビジネス全体を示すブランドにするとした。

産業分野でのドローン活用の拡大に向けたNTTドコモの新たな取り組みの概要
産業分野でのドローン活用の拡大に向けたNTTドコモの新たな取り組みの概要
(図:NTTドコモ)
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 新しい取り組みの1つが「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」である。セルラードローンとは、NTTドコモが21年7月に提供を開始したドローン向けのLTEサービス「LTE上空利用プラン」を活用する機体を指す。

 これまでドローン活用の中心だった目視内飛行では無線通信にWi-Fiが使われることが多かった。しかし、今後、ドローンの活用が大幅に増えるとみられる、飛行距離が数km以上になることが多い目視外飛行では、Wi-Fiは電波が届かないため使えない。

 一方、上空でのLTE(携帯電話)の利用は従来、地上での混信への懸念から電波法で規制されてきたが、それが緩和されたことを受けてNTTドコモは「LTE上空利用プラン」を導入した。

 ドローンでのLTEの利用に際し、上空でのLTE通信端末の送信電力を最適化する「送信電力最適化機能」と、上空で利用可能な周波数を限定する「周波数帯域制限(band制限)機能」という2つの技術を導入した。これらによって、地上でLTEネットワークを利用する端末への電波干渉を軽減した。LTE通信端末を搭載したドローンにSIMを挿すだけで利用できるという。

上空でのLTEの利用に向けた技術
上空でのLTEの利用に向けた技術
(図:NTTドコモ)
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 docomo skyセルラードローンパートナープログラムでは、セルラードローンの機体開発に向けた技術検証の支援やdocomo sky Cloudとの連携などのサービスを提供する。同プログラムには、ソニーグループ、ACSL、エアロセンス、米Skydioなどが参加している。

「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」に参加している機体メーカー
「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」に参加している機体メーカー
(図:NTTドコモ)
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 産業分野でドローンを活用したい顧客向けの新しい取り組みが「セルラードローンパッケージ」だ。具体的にはパートナー企業のセルラードローンとNTTドコモの通信サービスなどを組み合わせることでワンストップで導入を支援する。

 このパッケージサービスの第1弾として、医薬品配送に特化した「docomo sky医薬品配送パッケージ」と、災害対策向けの「docomo sky広域災害対策パッケージ」の提供を開始した。パッケージは、今後幅広い用途向けに拡充するとしている。

 さらにGPS(全地球測位システム)の電波が取得しづらい環境でも、障害物回避機能によって安全に自律飛行できる特長を持つSkydioの機体を使ったパッケージサービスの提供も開始した。Skydioによる近接撮影や3Dスキャンなどの機能を手軽に試すことができる「かんたんデータ取得パッケージby Skydio」と、屋内外環境での自動巡回飛行を実現する「どこでも巡回パッケージby Skydio」である。なお、NTTドコモは関連会社を通じてSkydioに出資している。