パナソニックは、導電性高分子Al電解コンデンサーの新シリーズを発売した ニュースリリース 。特徴は、+125℃の高温環境下での寿命が3000時間と長いことである。同社従来品は1000時間だったため、これと比べると3倍の長寿命化を実現した。「5G(第5世代移動通信システム)に向けた無線通信基地局の高度化に伴い、それに搭載する電源回路のコンデンサーには、高温環境下での長寿命化が求められている」(同社)。無線通信基地局のほか、サーバーやアクセラレーターボード、産業用制御ボード、電源モジュールなどに向ける。
新製品は、高温高湿の環境下での寿命も改善した。+85℃、85%の高温高湿環境下での寿命は1000時間と長い。同社従来品の寿命は、+60℃、90%の高温高湿環境下で500時間だった。
新製品のシリーズ名は「SP-Cap JXシリーズ」である。導電性高分子膜の形成技術や製造プロセスを改善することで、高温環境下と高温高湿環境下における寿命を延ばした。等価直列抵抗の初期規格値は9mΩ(100kHz、+20℃における最大値)と低い。「ESRは、高温環境試験や高温高湿環境試験の後でも初期規格値の2倍以下に収まる。このため電源回路の動作の安定化に貢献する」(同社)。
新製品は、定格電圧と静電容量の違いで5製品を用意した。定格電圧は+2Vと+2.5Vの2種類。静電容量は、+2V品が330μFと470μF、+2.5V品が220μF、330μF、390μFである。外形寸法はいずれの製品も7.3mm×4.3mm×1.9mmと小さい。新製品の主な仕様は以下の通り。
量産は21年12月に開始する。価格は明らかにしていない。今後同社は、SP-Cap JXシリーズにおいて低ESR品のほか、定格電圧や静電容量のラインアップを拡充する予定である。