リコー電子デバイスは、単セルのLiイオン2次電池に向けた保護ICを発売した ニュースリリース 。特徴は、過充電の検出誤差が±10mVと小さいことだ。同社によると、「検出精度は業界トップクラス。過充電の検出精度が高ければ、Liイオン2次電池の満充電を判定する充電終止電圧をより高く設定できる。このため、既存の保護ICを使う場合に比べて、同じ容量の電池に多くのエネルギーをためられる」という。これで、Liイオン2次電池を搭載した電子機器のバッテリー駆動時間を延ばせるようになる。具体的な応用先は、スマートフォンやタブレット端末、ウエアラブル機器、携帯型ゲーム機、補聴器などである。
また新製品は、放電/充電時の過電流の検出誤差が小さい。「新製品の検出誤差は±0.75mVであり、業界トップクラス」(同社)。過電流の検出精度が高ければ、低抵抗値の抵抗器で過電流が検出できる。このため、電池パック全体の抵抗分(インピーダンス)を抑えられ、より大きな放電/充電電流を流せる。「従来よりも大きな電流による急速充電が可能になるほか、消費電力や発熱量を削減できる」(同社)。
新製品のシリーズ名は「R5617シリーズ」。過充電と放電/充電時の過電流のほか、過放電や短絡などを検出し、外付けのパワーMOSFETを使って充放電を止める。入力電圧範囲は+1.5〜5.0V。自己消費電流は、動作(ノーマルモード)時に2μA(標準値)と少ない。スタンバイモード時は0.04μA(最大値)。パッケージは、実装面積が1.4mm×1.8mmのDFN1814-6B。このほか、実装面積が1.10mm×0.88mmと小さい6端子WLCSP封止品を開発中である。動作温度範囲は−40〜+85℃。新製品の主な仕様は下表の通り。
DFN1814-6B封止品はすでにサンプル出荷を始めている。1000個購入時の参考単価は110円(税込み)である。