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 ヌヴォトン テクノロジージャパンは、電気自動車(EV)に向けたバッテリー(電池)監視ICを発売した ニュースリリース 。同社は元パナソニックの半導体子会社「パナソニック セミコンダクターソリューションズ」であり、20年に台湾Nuvoton Technology(ヌヴォトン テクノロジー)に売却されて現在の社名になった

 新製品の特徴は電圧測定誤差が±1.5mVと小さいことである。従来品の電圧測定誤差は±2.5mVだった。新製品を使えば、同社従来品を使う場合に比べて充電終止電圧を高められる。その結果、より多くのエネルギーを蓄えられるため、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)の航続距離を延ばせる。正極にNi、Mn、Coの化合物を用いた3元系Liイオン2次電池や、正極にLiFePO4を採用したLiイオン2次電池、負極がLTOのLiイオン2次電池などに使える。EVのほかに、大容量蓄電システム(ESS)などでも使えるという。

電圧測定誤差が±1.5mVと小さいバッテリー監視IC
電圧測定誤差が±1.5mVと小さいバッテリー監視IC
(出所:ヌヴォトン テクノロジージャパン)
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 自動車向け機能安全規格「ISO 26262」に準拠する。技術的な工夫を2つ盛り込むことでISO 26262へ準拠させた。1つは、電圧測定の冗長性を高めたこと。「SOI(Silicon On Insulator)プロセスを採用し、機能ブロックなどを電気的に分離することで電圧測定端子を2系統に分けた。さらに、マルチプレクサーや16ビットA-D変換器などを二重化することで冗長性を高めた」(同社)。もう1つは、通信機能の強化である。具体的には、冗長性の高い通信トポロジーである双方向デイジーチェーン通信方式を採用した。

 新製品のシリーズ名は「KA84933UAシリーズ」。高精度の基準電圧源を集積するとともに、温度変動特性を出荷検査時に調整することで、電圧測定誤差を±1.5mVに抑えた。最大20個のセルを直列接続したモジュールにおいて、各セルの端子電圧を測定できる。新製品を複数個用意してデイジーチェーン接続すれば、200個程度のセルを直列に接続したモジュールに適用可能である。双方向デイジーチェーン通信の最大データ伝送速度は1.1Mビット/秒。SPIインターフェースを搭載し、最大データ伝送速度は2.5Mビット/秒である。

新製品の内部ブロック図
新製品の内部ブロック図
(出所:ヌヴォトン テクノロジージャパン)
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 車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。セルバランス機能を備える。パッケージは、外形寸法が14mm×14mm×1mmの80端子TQFP。動作温度範囲は−40〜+125℃。量産は21年12月に開始する。価格は明らかにしていない。