PR

 NTTドコモと聖マリアンナ医科大学などは、2021年12月6日から5G(第5世代移動通信システム)を活用した救急医療の実証実験を開始すると発表した。ドコモの5Gネットワークにスマートグラスなどを組み合わせることで、患者の容体を複数の医師間でリアルタイムに共有できるようにする。医療業務の効率化につなげたい考えだ。

 実証実験は、スマートグラスなどを使った医師の手元映像の共有や、病院内をストレッチャーで移動する患者の映像共有など、5つのテーマで実施する。

 医師の手元映像の共有では、患者を治療する医師がスマートグラスを装着。治療の様子を、現場に集まれない他の医師が持つタブレット端末などに配信する。これまで重傷外傷患者の受け入れる場合、多くの関係する医師やスタッフが現場に集まるため、それぞれの医師がすぐに患者を診られないという課題があった。スマートグラスの映像を複数同時に配信することで、現場に集まれない医師を含めて患者の容体を把握できる。必要とされる治療に応じて、担当する医師が現場や手術室に向かえるようになるというわけだ(図1)。

図1 スマートグラスと360度カメラで患者の容体を共有(出所:NTTドコモ)
[画像のクリックで拡大表示]
図1 スマートグラスと360度カメラで患者の容体を共有(出所:NTTドコモ)

 患者がいる現場では、スマートグラスのほか360度カメラも設置し映像配信する。バイタルモニターや患者の様子、これまでの経過などを記載したホワイトボードなどでも情報共有できるようにする考えだ。

 ストレッチャーで移動する患者の映像共有では、ストレッチャーに複数のカメラを設置し、5Gを使って現場に集まれない他の医師へと配信する。これまでは患者の容体急変に備えるため、多数の医師や看護師が付き添っていた。現場にいない医師が患者の状況をリアルタイムに把握することで、医師以外のスタッフのみが付き添っていても、移動中に容体の変化などがあれば医師が即座に出向けるようになる。

 近年、少子高齢化などで救急医療の需要が急速に高まっているため、医師の長時間労働が問題になっていた。NTTドコモなどは実証実験の結果を踏まえ、聖マリアンナ医大病院へシステムを本格導入につなげたい考えだ。