ベンチャー企業のLuxonus(ルクソナス)は2021年12月6日、造影剤なしで血流状態を可視化できる「光超音波イメージング装置」を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請したと発表した。まずは手や足の血流などの状態を測定し、血流障害の特定に利用できるようにする。早ければ2022年中に実用化する可能性がある。
同社が開発する光超音波イメージング装置は、無被ばくで造影剤を使用せずに血流の状態などを評価できる。体表に近赤外パルスレーザ光を照射することで、血中の赤血球から発生する超音波を独自の超音波センサーアレーで検出する。最大180mmx290mmの範囲を6分以内に撮影でき、手のひらであれば2分20秒ほどで3次元(3D)画像を得られる。今回、静止画だけではなく動画を撮影する機能も追加した。
関連記事 さらば造影剤、0.2ミリの微小血管まで見える光超音波技術が変える「常識」Luxonusは同装置を既存の医療機器である血流計を念頭に置いたクラスⅡ(管理医療機器)での「改良医療機器(治験なし)」のカテゴリーで承認申請した。「PMDAとの対面助言を経て治験なしでの承認申請になったことで、会社設立から約3年と比較的短期間で申請までこぎ着けた」とLuxonusの八木隆行 取締役CTO(最高技術責任者)は話す。承認取得後、光超音波イメージング装置の用途を手足の血流障害の特定だけでなく、閉塞性動脈硬化症や乳がんの検査などへ広げていく考えだ。