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 システム開発の失敗を巡り野村ホールディングス(HD)と野村証券が委託先の日本IBMを訴えた裁判で、野村側が最高裁判所への上告を取り下げていたことが日経クロステックの取材で2021年12月13日までに分かった。2021年4月21日に控訴審判決が言い渡された野村側の敗訴が確定したこととなる。

 同裁判では2013年に野村側が日本IBMを相手取り計約36億円の損害賠償を求めていた。2019年3月の一審判決では日本IBMに約16億円の支払いを命じたが、東京高等裁判所は2021年4月21日の控訴審判決で野村側の請求を棄却。東京高裁は「プロジェクト失敗の原因は仕様凍結後も変更要求を多発したユーザー企業(野村側)にある」と判断した。日本IBM側に非があるとした一審を覆し、逆転敗訴の判決を下したことから注目を集めた。野村側は最高裁に上告を申請していたが、今回これを取り下げた。

 上告の取り下げについて野村HD広報は「取り下げは事実。訴訟継続によるメリットとデメリットを総合的に考慮した結果、最高裁への上告および上告受理申し立てを取り下げた」とコメント。「現在、日本IBMとは対話を通じ、将来に向けて良好な関係にあると認識している」(野村HD広報)とした。取り下げた時期については回答を控えた。

 日本IBMの広報は「野村HD並びに野村証券が最高裁への上告および上告受理申し立てを取り下げ訴訟は終了した。現在、野村HD並びに野村証券とは将来に向けて良好な関係にある」とコメントした。

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