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 三菱電機は2021年12月14日、理化学研究所と共同で「制御の根拠を明示できるAI技術」を開発したと発表した。深層学習などの一部のAI技術は、推論過程を人が理解しづらく、制御分野に適用する上の課題になっている。インフラ設備や空調機といった製品への適用を想定し、5年後の製品化を目指す。

三菱電機が開発した「制御の根拠を明示できるAI技術」の概要
三菱電機が開発した「制御の根拠を明示できるAI技術」の概要
従来のAI技術(上)と今回開発したAI技術(下)の比較。(出所:三菱電機)
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 開発したAI技術は、[1]センサー値予測、[2]シミュレーター、[3]スケジューラーの3機能からなる。はじめに、[1]センサー値予測の機能を用いて、機器の過去の実働データから、AIが機器の設置環境の特性を推定。センサーで直接計測できないシミュレーター上の物理パラメーターを特定して数値化する。次に、特定した物理パラメーターや実働データなどを基に、[2]のシミュレーターで機器の設置環境における状態変化を予測する。さらに、この予測した状態変化を基にして、[3]のスケジューラーが制御計画を立案する。

 例えば空調機の場合、設置された部屋の大きさや断熱性などについてはセンサーによる計測値がない。そこで、センサー値予測の機能により、物理パラメーターとして数値化する。この物理パラメーターおよび、部屋の在籍人数などのセンサーで計測できる実働データを基に、将来の室内熱量といった物理量を予測。すると、空調機の稼働によって室温がどう変化するかをシミュレーションできるので、その結果を用いて、スケジューラーが制御計画を立てる。

 以上のように、3つあるAIの機能を段階的に用いることで、制御の根拠を明示しやすくした。入力から出力を直接推論するAIとは異なり、人が見て分かる物理量を計算して明示するため、機器やその周辺で生じている現象を理解しやすくなる。動作原理の納得性を高められるので、導入時の安心感につながる他、機器に不調が生じたときに原因を特定しやすくなる。