大日本印刷(DNP)は、材料系展示会「第12回 高機能素材Week」(2021年12月8~10日、幕張メッセ)に出展。同社におけるカーボンニュートラルなど環境負荷低減への取り組みの事例やサービスを紹介した。

 DNPは、20年3月に「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定しており、その中で「脱炭素社会(気候変動の緩和と適応)」「循環型社会(資源の効率的利用)」「自然共生社会(生物多様性の保全)」の3つの柱を掲げる。同社は脱炭素社会を目指し、50年までに温暖化ガス排出量実質ゼロを目標とし、事業ボートフォリオの転換、太陽光発電パネルや再生可能エネルギーの導入などの施策を進めていく。

環境ビジョンを示したパネル
環境ビジョンを示したパネル
(出所:小林 由美)
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 同社の脱炭素社会関連の技術として展示していたものの1つが、「DNPナノインプリントリソグラフィ(NIL)」を活用した半導体製造向けの超微細加工技術だ。NILは、基板材料に押し当てて、ナノメートル(nm)単位の超微細な凹凸を転写する技術。回路パターン用テンプレート(版の部分)の技術が基になっている。同社は03年から開発を開始し、15年に量産開始した。

NILによるプロセス
NILによるプロセス
(出所:DNP)
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NILに関する展示
NILに関する展示
(出所:小林 由美)
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 21年には同社とキヤノン、キオクシア(旧東芝メモリ)の3社が協力し、その技術を半導体製造における微細パターン形成に適用できるようにした。DNPはこれまでに培った版製作の技術を提供。キヤノンは版のパターンを基板に詳細に転写するインプリント装置技術を、キオクシアは基板上のパターンを精密加工する半導体製造技術を担う。この技術は、「5nmノード世代の半導体製造プロセスにも対応可能」(同社)という。

 近年、半導体の超微細化が進む中で、波長13.5nmの極端紫外線(EUV)を照射する「EUVリソグラフィ」が使われてきた。一方で、微細化の進行とともに製造プロセスに必要な消費電力が増大する点が課題となっていた。DNPらのNILは、従来のリソグラフィ技術などで用いていた現像工程が不要となるなどプロセスを単純化でき、製造プロセスにおける大幅な低消費電力化を狙えるという。それにより半導体製造のカーボンニュートラルに貢献できると同社は訴求する。

 DNPがもう1つカーボンニュートラルへの貢献をアピールしていたのが、自動車のルーフ(屋根)に貼り付け可能な「外装ルーフ加飾フィルム 」技術だ。最近増えてきているボディーとルーフのカラーが異なるツートンルーフのデザインは、従来、塗装工程で対応してきた。しかし、単色に比べて塗装工程が増え、かつ複雑化する。同加飾フィルムを使えば塗装工程を削減できるため、CO2や揮発性有機化合物(VOC)の排出量削減などの環境負荷低減対策に寄与するとしている。同社によると、外装ルーフ加飾フィルムは、耐候性、対傷性、耐チッピング性に優れ、既に自動車メーカーでの採用実績があるという。フィルムに施すエンボス加工や、柄の印刷など、フィルムと印刷ならではの加飾も実現可能だ。フィルムの施工も容易なため、製造コスト低減にもつながるとしている。

外装ルーフ加飾フィルム を貼り付けたルーフ
外装ルーフ加飾フィルム を貼り付けたルーフ
(出所:小林 由美)
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