米Oracle(オラクル)は2021年12月20日(米国時間)、医療・ヘルスケア向け情報システムを手掛ける米Cerner(サーナー)を買収すると明らかにした。1株当たり95米ドル、株式価値にして約283億米ドル(1米ドル=114円換算で約3兆2000億円)で全額現金によるTOB(株式公開買い付け)でサーナーを買収する。22年中に手続きを終える予定だ。
オラクルによれば、20年のヘルスケア市場は米国だけで3兆8000億米ドルの規模だったという。巨大で有望な市場だけに、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)や米Goole(グーグル)、米Microsoft(マイクロソフト)といった米大手ITがヘルスケア・医療分野の取り組みを強化している。競争が激しくなる中、オラクルは買収を機に同分野における事業拡大を狙う。
サーナーは電子カルテの作成といった医療分野の事務作業の負荷軽減に向けた情報システムを手掛ける。オラクルの持つAI(人工知能)技術やクラウド、音声認識技術などを活用することで、より効率的な医療を実現したいとする。