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 治療用アプリなどの開発を手掛けるサスメドは2021年12月27日、不眠症を対象とした治療用アプリについて塩野義製薬と販売提携契約を締結したと発表した。塩野義製薬が不眠症治療用アプリの日本における独占的販売権を取得する。サスメドは契約締結に伴う一時金のほか、今後の開発進展などに応じて総額最大47億円を受け取る。また製品発売後、販売額に応じた収入も得る。サスメドは不眠症対象の治療用アプリの臨床試験を終了しており、2022年2月に承認申請を実施する予定。

 不眠症を対象とした治療用アプリは人の考え方や認知の偏りを修正する「認知行動療法」をベースとするものだ。睡眠薬の処方量を削減したり適正使用につなげたりする。日本では睡眠薬の投与頻度の高さが課題になっており、一部の患者で長期服用時の依存がみられると指摘されている。

 不眠症対象の治療用アプリは国内での臨床試験において主要評価項目を達成したとしている。治療用アプリを利用した群とシャムアプリ(治療の機能を除いたアプリ)を利用した群で比較したところ、不眠重症度の指標である「アテネ不眠尺度」が有意に改善したという。塩野義製薬とサスメドは今後、不眠症以外の治療用アプリの共同開発などにも取り組む予定だ。

 サスメドは2021年12月24日、東京証券取引所マザーズ市場に上場した。初値は1500円で公開価格の1410円を6%上回った。不眠症をはじめ複数の疾患を対象とした治療用アプリを開発する事業と、医薬品などの臨床試験で活用するシステム構築などの事業を推進する。