2022年の工作機械受注額の予想は1兆6500億円――。日本工作機械工業会(日工会)会長の稲葉善治氏(ファナック取締役会長)が、22年1月11日にファクトリーオートメーション(FA)業界誌を発行するニュースダイジェスト社(名古屋市、以下ND社)が開催した「FA業界 新年賀詞交歓会」の講演に登壇し、工作機械受注の現状と見通しなどについて語った。
日工会によると21年の工作機械受注総額は1兆5500億円となる見込み。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きく落ち込んだ20年(受注総額9018億円)に対して7割増と急回復を果たした。20年5月に月当たりの受注額が512億円まで落ち込んだが、その後はテレワーク関連の需要が増え始めたのに加え、厳しいロックダウンの後でいち早く経済活動を再開した中国の受注回復などもあって、20年末ごろから特に外需が伸びた。さらに21年に入り半導体産業や電気自動車(EV)需要などによって回復基調が強まった。日工会は、21年の受注額を当初は1兆2000億円と予想していたが、回復が進んだことから同年9月に1兆4500億円へ上方修正していた。実績はそれをさらに上回る数字となった。
22年の受注額について日工会は、冒頭のように1兆6500億円(内需5700億円、外需1兆800億円)と予想している。「21年にかなり伸びたので、22年、23年は一服するだろう」(稲葉氏)とみて、約6%増にとどまるとした。それでもこれは過去4番目の受注水準で、外需だけなら過去最高額になるという。