大塚製薬は2022年1月27日、VR(仮想現実)関連サービスを提供するジョリーグッド(東京・中央)と業務提携したことを発表した。精神科領域の「ソーシャルスキルトレーニング(SST、社会⽣活技能訓練)」のプラットフォーム構築について、国内での独占的な共同開発権と販売権を取得する。大塚製薬は契約一時金として3億円をジョリーグッドに支払い、制作開発費や販売ロイヤルティーを含めた支払額は50億円規模になる可能性がある。

VRを活用して精神疾患患者の社会復帰を支援する
VRを活用して精神疾患患者の社会復帰を支援する
(出所:大塚製薬)
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 SSTは日常生活を送るうえで必要となるスキルを身に付けるために実施されるトレーニングのことを指す。例えば買い物シーンの訓練では、品物を選んで店員にお金を渡すといった一連の行動を、専門スタッフとの間でシミュレーションする。しかしジョリーグッド上級医療統括顧問の蟹江絢子医師によると「スタッフが現状圧倒的に足りない状態」であるといい、SSTにVRを応用することでレベルを統一したトレーニングを全国で受けられるようにする。

 両社は協業によって、精神疾患のヘルスケア領域で国内最大規模のVR事業を目指す考えだ。第1弾として統合失調症を対象としたSSTのVRコンテンツ開発に取り組み、早ければ2022年の秋口ごろにも実用化する予定だという。なお、プログラム医療機器としての申請ではなく、薬物療法などと組み合わせた補助的な使用を想定する。

 VRゴーグルやタブレット端末はジョリーグッドが用意し、大塚製薬と共同でVRコンテンツを作成する。大塚製薬はこれまで精神疾患領域での医療用医薬品を展開してきた実績があり、培ったネットワークを通じて国内での販売を担う。