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 NECは2022年1月31日、2021年4~12月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高に相当する売上収益は前年同期比2.5%増の2兆963億円、調整後営業利益は同21.7%減の759億円と増収減益だった。

会見に出席したNECの森田隆之社長兼CEO(最高経営責任者)
会見に出席したNECの森田隆之社長兼CEO(最高経営責任者)
(撮影:日経クロステック)
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 調整後営業利益は前年同期から210億円減った。新型コロナウイルス禍による市況悪化からの回復や、5G(第5世代移動通信システム)事業での実業改善などで385億円増益したものの、2020年度の一過性損益や半導体などの部材不足などが響いた。

 セグメント別にみると、「エンタープライズ」事業が全領域で増収増益だった。売上収益は前年同期比16.7%増の4138億円、調整後営業利益が同82億円増の344億円だった。加えてデンマークで政府向けのITサービスを提供するKMDや、デジタルファイナンスを手掛けるスイスのAvaloq(アバロク)などを買収した「グローバル」事業も増収増益となり業績をけん引した。売上収益は同9.0%増の3545億円、調整後営業利益は同100億円増の181億円だった。

 事業に対するコロナ禍の影響について、森田隆之社長兼CEO(最高経営責任者)は、「ビジネス環境は新型コロナ禍以前の状態に戻りつつあるとみている」とした。「ロックダウンのような業務を止めざるを得ない状況になれば話は別だが、今の状況が続く限り新型コロナの影響はコントロールできる状態で事業を進められると考えている」(森田社長兼CEO)。

 2022年3月期の業績予測について、売上収益は据え置いた。一方で新型コロナの影響が減少する見通しを背景に、調整後営業利益を同3.2%増の1600億円と上方修正した。